咬合器
我々の仕事の中でとっても大事な道具のひとつに咬合器という、写真のような、いかつい道具があります。何をする道具かというと、個人個人の咬み合わせの状態を口腔外で再現する道具です。あまりにも簡単に述べましたけど、咬むという行為はただの蝶番のような単純な動きではなく、食べながら、顎は前にも動くし横にも動くし、三次元的に複雑な動きをしながら咀嚼は行われます。この複雑な動きに調和するように1本1本の歯が擦り合い、噛み合い離開し、そしてまた接触しと、正確に文字だけで伝えるには無理かもしれませんが、こういった複雑な動きを再現するのが咬合器なんです。ただし曲線は再現できないので、パーフェクトな再現にはならず、しかも咬合器によってどこまで再現できるかも色々と種類があり、難しいところではあります。
そんな咬合器は、被せ物や入れ歯を作るときには必須なツール。しかし作るときだけではなく、口腔内診査やインプラントなどの術前診査なんかにもよく使用します。特に、顎関節症や咬合痛の診査に私はよく利用しますし、なにしろご自分の状況を目で直接見て把握していただけるので、咬合器は何個あってもたらないくらいっす。
ただ・・・場所とるんですよ。最近そういった症例が多くて机の上が咬合器でうまっておりまする