帳尻合わせ
４月から歯科診療における保険点数の改定があり、患者様の負担する一部負担金に変更が生じます。だいたい年に1〜2回は行われる改定なんですけど、我々から言わせると、国民の健康を考慮した改定ではないですね。全体的に見て一応0.4％のプラス改定になっていますが、ほとんどやることはないようなレアなケースの点数を上げ、日頃行われる点数は下げ、前回これはいらないから廃止、となった治療項目が復活して、と結局帳尻合わせのために点数を足したり引いたり、それで項目足らないから、そいうや前回廃止したのがあるからそれを使ってみよっか〜というようなニュアンスが見受けられます。
何しろ厚生省は歯科の医療費を下げたくて下げたくてしょうがないようで、国の医療費を削減、歯科医師の報酬を下げ、歯科医師の数を減らすというコンセプトがよく解ります。
しかしこれ読んだ方は、歯医者ぼろ儲けなんだから当たり前だろう！と思われるかもしれませんが、そんなことは決してありません。現在歯科医師の３人に１人の割合でワーキングプアが存在し、３人が歯科医院を新規開業すると、３年後には２軒が潰れると言われております。更には原油価格の高騰に伴う歯科材料や、貴金属の高騰と厳しくある一方です。そういった背景で、歯科医師を追い込むような政策はいずれ歯科医療の質の低下にも起こりかねないと私は思いますし、既に現実として、以前使用できた材料が認められなくなり、強度の低い入れ歯、細かな処置などがあり、患者様自身気付かない所での質の低下というものが起きております。しかし我々歯科医師はそれでも、すぐに壊れてしまうような入れ歯では、結果的にクレームの対象となりかねませんので、やむなく無償で強度の向上などを行ったりなどといった処置もとっております。ただしこの良かれと思って行った処置は、保険で認められていない入れ歯の製作の対象となりますので、混合診療となり、違法行為の一つと見なされるのも現実です。
もっと国民主体の改正が必要だと思うんですけどねぇ
