基準超
仙台市は30日、解体工事中の旧ホテルサンルート仙台(青葉区中央4丁目)周辺の大気中から、世界保健機関(WHO)が定める基準を大幅に上回るアスベスト(石綿)が検出されたと発表した。市は飛散防止対策が完了するまで作業を中止させるとともに、市衛生研究所で詳細な検査を進めている。
市環境対策課によると、28日に立ち入り検査をして環境測定を行った結果、ホテルの敷地境界で大気1リットル当たり10本以上のアスベストが検出された。100本を超えるとみられている。
WHOは「都市の石綿濃度は1リットル当たり10本程度」を判定基準としており、10本を超えると健康被害のリスクが高まるという。
市の調査で、工事を請け負った東洋環境開発(青葉区)が9階建てのホテルを解体するに当たり、アスベストを除去しないまま作業を開始した箇所があったことが判明。不適正な工事が今月13〜28日にかけて行われた結果、アスベスト含有吹き付け材が損傷し、飛散したとしている。
市は同社に、アスベストが外部に飛散しないよう、ビニールシートでホテル開口部を密封させるなどの措置を取らせた。
同社は「作業工程を急ぐ必要があった」と話しているといい、市は大気汚染防止法に基づく行政処分を検討している。市内各区の保健福祉センターでは、アスベストに関する健康相談を受け付ける。
アスベストは天然鉱物の一種で、ごく細い繊維状の物質。耐火性、絶縁性などに優れ、建材や断熱材として使用された。繊維を吸入すると排出されにくく、中皮腫やじん肺の一種の石綿肺、肺がんなどの原因になる。吸引後、直ちに健康に影響はなく、10〜40年後に発症するとされる。
めっちゃご近所で、毎日この解体現場の下を往復しておりました(T_T) 現在工事停止しているようですが、焦らず確実に行なっていただきたいと思います