上顎洞
本日は上顎へのインプラントOPEがありまして、計4本中2本がソケットリフト+骨質改善となりました。
上顎にインプラントを行う際、問題の1つとして上顎洞があります。上顎洞とは顔の両側、頬骨付近の空洞のことです。ここは鼻と交通しており、鼻から吸った空気が上顎洞内に入り、空気中の汚れを取り除き、また、冷たい空気を温めてから肺に送るための場所です。ここが炎症を起こすと、俗にいう蓄膿症になり、専門的に上顎洞炎といいます。この上顎洞の底部は臼歯の根元に近いことがあり、根元の病気を放置していると上顎洞炎になることもあります。ちなみに、鼻に原因があった場合、鼻性上顎洞炎、歯が原因の場合、歯性上顎洞炎と分類されます。
そこで本題に戻りますが、インプラントを植立する際、上顎洞が近く、そのままドリリングを行うと、洞内に突き抜けてしまう可能性がある場合、洞底ぎりぎりまでドリリングを行い、洞内粘膜(これをシュナイダー膜といいます)だけを挙上し、そこにβ-TCP(人工骨)等を填入することにより、骨に高さをかせぎ、そこにインプラントを埋入する方法があり、これをソケットリフトと言います。骨頂部から洞底部までの距離により。オペができない事もありますが、1つのオプションとして、有益な方法と言えます。
自分で書いたHPから転載しましたけど、今日の患者様も洞内へのアプローチが必要で、しかも骨密度が低く、柔らかい感触があったため、細めのドリリングだけ行い、オステオトーム(ソケットリフトに使用する道具)で拳上しながら骨密度を上げる処置を行いました。
風邪、インフルエンザが流行っている時期だけに、ソケットリフト痕は4〜5日鼻を強くかまないようにしていただかないとなりません・・・