噛み合わせ
インプラントを中心にお世話になっている先生のオフィスを見ていると、インプラントオペの回数が多いため、同じオペキットが数個用意してあります。1つでは滅菌が間に合わないため複数ないと、オペができないため。勿論私の所はそんなことはないのですが、昔インプラント始めた頃は年に数本オペすればいいほうでしたが、現在では週に数本という時も少なくありません。
患者様サイドのインプラントの認知度が高まってきていますし、私自身もこの数年インプラントセミナーを集中的に受講し、また良い師匠となる先生方と知り合えたこともあり、一昔前には自分の技量不足により患者様に自信を持って奨められなかったオペが最近では僅かではありますが、行えるようになりつつあります。
しかしインプラントとは、どうしても我々歯科医師は外科処置に目がいってしまうのですが、本当に吟味しなければならないのは噛み合わせです。どんなにしっかりオペができても噛めなければ何の意味もなく、そしてどんな噛み合わせを付与したかにより、そのインプラントの寿命が大きく変化します。
セミナーなどでもよく言われる事ですが、外科主導方から補綴(噛み合わせ)主導方のインプラントを考えていかなければならないんです。
実は、先日片側だけインプラントをしてもらえないか、という問い合わせをいただき、上記のように全体の咬み合わせとバランスが重要ですので、その旨お伝えしたところ、他の医院にも聞いてみますと言う方がいらっしゃいました。確かに高額な治療ですので、極力費用を抑えるためにとりあえず片側だけでもというお気持ちはわからないことはないのですが、全ては全体の良好なバランスだと思います。
ある先生がおっしゃっていました、上下左右のバランスを考えると車と一緒なんだよ、4点支持のない状態、タイヤが1つでも欠けている車なんて危なくて乗れないだろ、と。
まさにその通りだと思います。