深刻です
SASと言っても英国特殊部隊ではありません。睡眠時無呼吸症候群を略してSASというのですが、このSASただのいびきではなくその名のとおり一時的に呼吸が停止してしまいますので、非常に深刻な問題になります。ところでSASの治療としてあまり一般的には知られておりませんが、歯科でも対応が可能です。いびきとは舌が寝ていると咽頭に落ち込んでしまうことにより起こりますので、この舌が沈下しないよう顎をマウスピースにより強制的に前方に固定し防ぐことが可能となります。ところがこのマウスピース、医科からの紹介状がない限り保険での治療ができません。別に歯科医師の裁量で治療を行っても構わないのではないかと思いますが、このへん厚生省が認めないんですね。そんな事情があり、SASを自覚している患者さんがネット等で自ら調べ、直接歯科に来院され、保険が利かないことを知り、治療を諦めてしまうことも少なくありません。だからといって医科から歯科への紹介ってのはほとんどないのが実情です。領域自体が微妙で、耳鼻科、呼吸器科、歯科など絶対この科ってのがないので、連携がうまくいかないんでしょうね。
ところが先日市内のいびき専門医から紹介状を持った患者さんが来院されまして、珍しく保険対応のマウスピースをお作りする機会がありました。結果的にSASが改善され、患者さんご自身の話ですと、よく寝れるようになり、昼間の異常な眠気がなくなって仕事に集中できるようになりました。とのこと。今回はマウスピースのみでよい結果がでましたが、必ずしもマウスピースのみで改善するとは限らず、根本的にかみ合わせ等の問題からマウスピース自体を入れられないケースもあり、それぞれの科の連携が一番大事だと思います。
医療という1つの範疇なのになぜか歯科だけは別にされるんですよね、まぁ根本的に大学も医大と歯科大に分かれているのでしょうがないんでしょうけど・・・
