金属アレルギー
基本的に対症療法しかできないアレルギー疾患。アレルギーとは様々な物質に対する過敏反応、有名どこでは花粉症。花粉を体外に排出させるために涙があふれ、鼻水により花粉を洗い流そうとする反応。
アトピーもアレルギーですし、卵や蕎麦にもアレルギーがありますし、家屋のホルムアルデヒドもアレルギーになりえます。
つまりあらゆるものが、アレルゲンになる可能性があるため、アトピーなどのアレルゲンが各々により異なるアレルギーなどは、原因究明は困難を極めます。
そんなアレルギーのなかで、我々歯科医師がよく頭を抱えるのが、金属アレルギー。指輪とかビアス、ネックレスなどが接触することにより、かゆみや腫れなど生じるものだが、虫歯の治療などにより、使用する金属にもアレルギーが出る場合があり、こういった場合、その他の合金や金属を使用するか、またはメタルフリーな修復を考慮しなければなりません。
しかしここに問題が。
日本の保険診療では使用できる金属が決まっており、それ以外の金属やその他材料を使用する場合、保険の対象にはなりません。つまり、患者さんご自身の負担額が高額になりやすいということ。
金属アレルギーだって、1つの疾患なのだから、保険対象として見るべきだと私は思いますけど、全くもって変化の兆候はなく、見て見ぬ振り。
因みに金属アレルギーと一言で言っても、そのアレルゲンは様々。なにせ世の中に存在する金属元素はたくさんありますから、それぞれがアレルゲンになり得る訳です。
そんな金属アレルギーがある患者さんの治療計画を立案中。
パラジウムという保険診療ではめっちゃメジャーな金属と自費診療によく使用されるプラチナに陽性でして、さてさてどうしたものか、頭を抱えております。
ところで、通常金属アレルギーの検査はパッチテストといって、可能性のある金属が含まれた溶液を皮膚に塗布し、ガーゼで保護して、その後の結果を待ちます。
赤く皮膚がなったり、爛れたりといった反応がみられれば、陽性。
かなり過剰な反応が見られればわかりやすいんですけど、意外と本人が気付いていない場合も結構ありますので、心配な方は皮膚科にて検査をすることをお勧めします。