ニーズの多様化
医科においては、各臓器や疾患によってそれぞれの専門家がいて、大きく分けても外科や内科、皮膚科、産婦人科と分かれているのに、歯科はほとんど細分化されていない。せいぜい分けても矯正歯科、口腔外科、審美歯科、小児歯科といったものくらい。たかだか口の中だけなんだから、細分化のしようがないんでは?と思われるかもしれないが、いやいやそんなことはない。虫歯の専門家、歯槽膿漏の専門家、根の治療の専門家などなど細かく分けるべきじゃないかと思う。実際欧米では、歯科が細分化されており、患者さんはそれぞれの専門化のところにいって治療を受けている。しかし難しいのは、例えば、虫歯によって痛みが出た場合、神経を取る処置とその後、被せて歯の形を回復させて噛めるようにする、大きく分けて2つの処置が必要になる。しかもここに歯槽膿漏もあると被せる前に歯茎の状態も改善させなければならないので、3つの処置となる。もし細分化となると患者さんは3つの病院を回らなければならず、なかなか治療が進まなくなってしまうかもしれない。
なぜこんな事を考えるかというと、歯科大学において、今の60代の先生方と我々30代とではたとえ同じ大学を卒業してても、習得しなければならない情報量は2〜3倍と言われている。あくまでも歯科の基礎だけでそれくらい差があるのに、実際の臨床においては更に大学では教えていない技術が多数存在する。そういった背景を考慮すると1人で口腔内全てを網羅して治療を行っていくのは難しくなる一方である。インターネット等の普及により専門的な知識を一般の方も入手しやすくなって、多様なニーズが多くなった一方、そういったニーズに我々が確実に答えていくには細分化させより狭く深い知識で望まなければならないと思う。
ようは日々勉強ってことですね(~_~;) 世の中に淘汰されないようがんばらねば!
写真はカッタ君。結構マニアックな写真かもw
人気blogランキングへ←クリックお願いします